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■ガンジス 中流篇

5. Delhi (デリー)

冬の訪れに追われるようにヒマラヤを下り、首都デリーに戻ってみると、そこは秋ならずいまだ夏の気配が漂っていた。酷暑というほどではないが、日中はカッと陽が照りつけ、一、二時間の散歩のうちにみるみると肌が黒くなってゆく。

IT産業を中心に経済発展の話題が先行するインドだが、デリーには以前と変わらぬ喧噪があった。人々は生命の炎をたぎらせながら、汗や怒声が飛び交う通りをひしめくように行き交っていた。

一方、経済発展に欲望が刺激されてか、デリー郊外では凶悪犯罪が頻発しているという。とりわけ古くからダコイット(盗賊団)の出没地であるガンジス南西地域では、その傾向が顕著だという。

銃砲店が軒を連ねるデリー郊外の町。

そこで逮捕直後の二人組と出くわした。

不殺生(アヒンサー)の教えが尊ばれ、命を慈しむ気風が強いインドだが、強盗殺人事件の発生率が日本の3〜4倍にのぼるのもまた事実なのだ。